ミドリサンゴ

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ミドリサンゴ
EuphorbiaTirucalliPlant.jpg
ミドリサンゴ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 core eudicots
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ上群 superrosids
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : rosid I / Fabidae
: キントラノオ目 Malpighiales
: トウダイグサ科 Euphorbiaceae
: トウダイグサ属 Euphorbia
: ミドリサンゴ E. tirucalli
学名
Euphorbia tirucalli L.
和名
ミドリサンゴ(緑珊瑚)、アオサンゴ(青珊瑚)
英名
milk bush など(詳細は#諸言語における呼称を参照。)

ミドリサンゴ(緑珊瑚; 学名: Euphorbia tirucalli L.)はトウダイグサ科トウダイグサ属低木の一種である。別名としてアオサンゴ(青珊瑚)、ミルクブッシュ英語: milk bush)などがある。観賞用に栽培される。アフリカ東部周辺の乾燥地の原産と考えられるが、世界の熱帯に広く帰化している。ただし文献によってはインド原産でそこからアフリカ全土に定着したのではないかとするものもあり[2]、原産地に関してははっきりとしていない。

この植物に含まれる乳液は、少なくとも人間にとっては有害なものである(参照: #利用)。

また多肉化するトウダイグサ属植物という条件に当てはまるため、ワシントン条約(CITES)附属書IIの適用対象となる[3]

分布

Haevermans (2017) によればアンゴラコンゴ民主共和国ザンビアスワジランドタンザニアマダガスカル南アフリカ共和国モザンビークルワンダに自生し、インドガーナフィリピンベトナムに見られるものは移入されたものであるが、エチオピアエリトリアサントメ・プリンシペスーダンソマリア南スーダンで生育しているものは起源がはっきりしていない。ケニアに見られるものは生け垣として植えられたものが野生化したものである[4]。熱帯ではどこでも見られるが、有用植物として利用されてきた歴史が長く、移入されたものが結果的に野生化したために分布、特に原産地が分からなくなっている[1]

特徴

低木あるいは高木[4]、高さ5-9メートルほどとなる[5]は濃緑色(品種によっては赤などもある)でよく分枝する。枝は多肉質で円筒形、刺はない[4]。若枝にはごく小型(長さ6ミリメートル以下[4])のがつくが生長とともにすぐに脱落し[2]、茎だけが目立つ。茎を切ると白い乳液が出る。ミルクブッシュの名はこれによる。花はクリーム色あるいは黄緑色、短く頂生の房となる[4]。果実は3裂し、直径6ミリメートル以下である[4]

利用

観賞用に室内または温室で栽培される。ケニアでは生け垣を作る際などに用いられる[6]。しかしミドリサンゴを含むトウダイグサ科トウダイグサ属の植物(いわゆるユーフォルビア)には全株、特に乳液に発がん作用のあるジテルペンエステルホルボールエステル類などが含まれ[7]、毒性が強いので注意を要する。目に入ると炎症を起こして[6]激しい痛みを、皮膚につくと皮膚炎を、誤食すると吐き気嘔吐下痢を引き起こす場合があり[8]危険である。皮膚に乳液が付着した場合には、石鹸と水で念入りに洗浄すべきである[8]。目に入った場合の対処方法としては、人の乳を用いるのが有効であるともいわれる[2]

乳液には炭化水素も多く含まれるため、かつて燃料用作物として注目され、化学者メルヴィン・カルヴィンペトロブラスによって研究されたが、効率が悪く実用化されていない。

毒性が強いが、古くからアフリカやインドなどで民間薬としても用いられた。しかしながら、このような利用がバーキットリンパ腫(アフリカに集中発生するリンパ腫で、直接の原因はEBウイルス)の誘発因子ではないかとも考えられている[9][10]

諸言語における呼称

  • 英語: milk bush[5], firestick plants, sticks on fire[5], naked lady, pencil tree[5], finger euphorbia[2]

ケニア:

ギャラリー

出典

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  1. ^ a b Haevermans (2017).
  2. ^ a b c d Mbuya et al. (1994).
  3. ^ Species+. 2018年10月15日閲覧。
  4. ^ a b c d e f Beentje (1994).
  5. ^ a b c d 土橋 (2015:215).
  6. ^ a b c Maundu & Tengnäs (2005).
  7. ^ 土橋 (2015:214-6).
  8. ^ a b 土橋 (2015:216).
  9. ^ van den Bosch C, Griffin BB, Gazembe B, Dziweni C, Kadzamira L, 1993, Br J Cancer, 68, 1232-1235.
  10. ^ MacNeil1 A; Sumba OP, Lutzke ML, Moormann A, Rochford R, 2003,Br J Cancer, 88, 1566–1569.[1]

参考文献

英語:

日本語:

  • 土橋豊『人もペットも気をつけたい 園芸有毒植物図鑑』淡交社、2015年。978-4-473-03959-0

関連項目